家庭に入る

一年ちょっと経って、坂崎さんの勤めていた会社が親会社に吸収合併されることになり、いずらくなったのをきっかけに転職を決意。それならいっそのこと結婚して大阪に行こうということになったのだ。「もうそのころは結婚を前提につき合ってはいたんです。双方とも親が共働きはあたりまえで、子供ができたらやめればいいって考えだった。せいぜいお金を貯めて、家を買ってって……」だから、結婚をして大阪に行っても仕事は続けようと思った。だから、「どうせ子供産んだら家庭に入るんだから、おもしろいことをやろうって、友だちのコネでイベントの企画会社にもぐり込んだんです。彼も新入社員でこき使われて、どうせウチではご飯食べないような生活だったから、私も目一杯働いてお金貯めようって……。どうせ数年すればやめるんだからってね」ところが、やればやるほど仕事がおもしろくなってきた。最初は仕事を覚えるのに必死だったが、やり方がわかってくると企画のアイディアがどんどん浮かび、おもしろいほど企画書が通るようになった。社内での立場もよくなっていった。「当時、いわゆるプロの発想じゃなくて、シロウトの大学生の発想みたいなのが受ける時代でもあったんですよ。私は業界のことをぜんぜん知らないから、かえっておもしろがられたみたいです。私自身も仕事がおもしろくて仕方なかったから、家でそういうのをモロに出しちゃってたんですよね」彼は地味な仕事でへとへとになっているわけで、当然仕事自体もおもしろくはなかっただろうという。二年くらいの間にだんだん二人の中はギクシャクしだした。自分を作り過ぎずにで、素敵なパートナーを見つけよう。

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