女の幸せは結婚

「母は留学のときいっしょだった東大や慶應の人たちと結婚してほしいって思ってたんですよ。それなのに、あれだけエリートがいいようなこと焚(た) きつけといて、急に何を言いだすんだって思う反面、何か母にお墨付(すみつ) きをもらったような気がしたのよね。また自分を抑えつけてたんだなと思う。だから、自分の気持ちを素直に確かめようとしなかった。なんか突出しちゃいけないみたいな感覚があって、そこでも飛び出す勇気がなかった……。母は頭のいいこと、あちこちに好奇心を伸ばすことを一方で奨励しながら、一方で抑えつけてた。それをあまりひけらかしてキャリア方向に行くと、今度は男からそつぼを向かれるって思ってたんでしょうね。その分私はずいぶん回り道したなと思いますよ。恨んではいないけどね」女の幸せ=結婚と考えれば、坂崎さんのお母さんの批評眼はかなり的確なものだったろう。そして、坂崎さん自身も、母という殻をなかなか破れずにいたのだ。大学を卒業後、坂崎さんはあるメーカーの事務職として就職。叔母の家を引き払って自宅に戻った。彼も同時に就職したが、一年目で大阪に転勤。遠距離恋愛が始まった。「私なんか遅いほうで、その間に大学時代の友人は何人も結婚しましたよ。ときには彼と二人で披露宴に出席するじゃないですか。そうすると、〃あんたたちはいつなの?″なんて言われたり、すでに結婚したカップルとかがどうやって家具を安く買ったかって話で盛り上がったり、結局中身というよりは、形の結婚の話ばかりが盛況だったんですよ。でも周りがそうだと、そろそろ自分もって思いますよね」あなたはここで→出会った人に対して、自分の理想を演じずに本当の自分をぶっちゃけられますか?

DY102_L