親の妊娠経験が子に全ては通用しない。

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息子の嫁が妊娠した。よし、いつちよう私の体験を話してやって子どもが無事に生まれるよう手助けしてあげましょ、と息子夫婦の家へやってくる姑さんは多い。
だが、その何割かは手助けどころか”かき乱し”に来ているようなものではなかろうか。
「先生、うちの嫁、もう五カ月すぎたのに、ちっとも体がむくんでこないけど、大丈夫でつしやろか」と言ってきた姑さんがいる。
自分が妊娠したときは、体全体がひどくむくんだ。それは、分娩のときのためにエネルギーを貯めこんでいるからなのだと深く信じていた。
だから、嫁が同じようにならないと不安で仕方がないらしい。「姑さんとしてのお気持ちはわかりますけどね」、私は苦笑しながら言った。
「体がむくんだのは、どこかに異常があったからですよ。自分の体験を何もかも当てはめて、一致してないとおかしいというのは行きすぎですな」妊娠に関する俗説は実に多い。
その大半は、お年寄りたちが持ちこんだ、単なる迷信である。妊婦がショウガを食べると、指の多い子ができる。
ふたまた大根を食べたら双生児、ウサギならミックチの子、カニなら毛深い子、ニンニクはわきがの子・・・といったナンセンスな言い伝えはキリがないのだ。
「柿、イカ、スルメを食べると流産する」という話だって、なんら科学的根拠はない。要するに”消化の悪いものは敬遠したほうがいい”という考え方を示しただけのものだ。
相性が合う結婚相手をでみつければ、夫婦間に問題が生じて解決するためにここに書いたような大変なことをしないで済むかもしれません。